今回はバックオフィス業務である営業事務のお仕事についてご紹介致します。営業事務とは、主に営業部門や営業職のサポート・バックアップをする仕事です。事務作業的な側面から関わることが多いですが、その自分の努力が、営業部門に計上される「売上」というはっきりとした結果になって返ってくる点が、他の事務職との大きな違いであり、やりがいを感じられます。これから経理担当者として営業事務で働きたいと思っている方はぜひ参考にしてみてください。今回は納品書・請求書の作成についてご紹介致します。
納品書・請求書を作成する
会社にとって最大の損失、「請求漏れ」を防ぐことが重要です。
- 作成する書類
・納品書
・請求書 - 保管する書類
・納品書控え
・検収通知書
受注から納品までの流れを確認する
- 契約を交わす
取引先が見積書の内容に合意したら、契約を交わします。相手先から発注書又は注文書のみが発行される場合は、発注書などが契約書を兼ねることになります。納品が終わったら、納品書の控えをもとに、請求書を作成します。 - 納品書を作成する
納品書は、見積書や注文書通りに納品したということを発注者に確認してもらうために作成します。納品書に記載すべき内容は基本的に見積書や注文書の内容と同じになります。納品書を受け取った相手方に、納品物と納品書に記載されている内容が一致しているかを確認してもらい、「確かに受け取りました。」という意味合いのサインや印鑑をもらっておくと取引がスムーズに運びます。商品やサービスの性質によっては、「検収通知書」を発行してもらいます。検収通知書とは、発注通りに納品されているか、クオリティに問題が無いか確認できたことを、通知するものです。
請求から会計処理までの流れを確認する
- 請求書を作成する
請求書は、納品の都度発行する場合と、得意先ごとに「20日締め」や末日締め」など締め日を決めておき、ひと月分をまとめて請求する場合とがあります。得意先から請求書のフォーマットを指定される場合もあるので、その場合は「指定請求書」を使います。請求書には、次の表の項目を記入します。項目 記入の際の注意事項 宛先 会社名を省略したり、相手歳の役職名を間違えたりしないように気を付ける 請求書番号 入金管理のために番号を振って管理する。納品書番号や見積書番号を記入する欄を作るなどして、請求漏れを防ぐ 請求年月日 請求書の作成日ではなく、あらかじめ決まっている会社の締め日を記入する場合が多い 担当者の氏名・連絡先 会社名・住所・電話番号・メールアドレス・担当者名を記入し、会社の角判を押印する 件名 見積書や発注書に記載されているものと同じ件名を記入する 取引内容 商品名やサービスの内容を具体的に記入する 請求金額 見積書や発注書を参考にして、商品やサービスごとの単価や数量・合計額を記入する 消費税 8%か10%を記入する 請求すべき合計額 本体単価と消費税額を合算し、相手が支払うべき最終的な請求金額を、他より大きな文字で記入する 振込先 金融機関名・支店名・口座の種類・口座番号・口座名義人を明記する 振込期限 契約書や発注書で決済条件を確認する 補足説明 「誠に勝手ながら、振込手数料はお客様のご負担でお願い致します。」などと記入しておく - 請求書を発送する
請求書を作成したら、内容に誤りが無いかを営業担当者や上長に確認してもらい、承認印をもらいます。1部を得意先に送付し、控えは取引先ごとのバインダーを作って、番号順にファイルします。請求書を作成したら、その後、請求書通りに入金があったかを確認し未収金管理をします。なお、最近では、電子化されているため、請求書もメールやシステム上でのやり取りの会社も増えており、バインダーに保管する必要が無い場合もあります。 - 会計処理をする
請求書を作成したら、次の仕訳をします。売掛金は得意先ごとに補助登録をしておき、月次決算の際に、売掛金台帳と会計帳簿が一致しているかを確認します。仕訳は、締め日が決まっている場合は締め日で都度発行の場合は発行日で入力します。
得意先A社に、100万円を請求した時の仕訳例
借方 | 貸方 |
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売掛金ーA社 1,000,000 | 売上高 1,000,000 |
まとめ
今回はバックオフィスである経理業務の営業事務である納品書・請求書の作成について説明をしましたがいかがでしたか。営業組織の管理業務が中心の場合は、クライアントとの契約や売上、入金などの全体管理を行いますが、営業担当者のアシスタント業務が中心の場合は、外出している営業に代わってクライアントとの電話やメール応対や、見積書・納品書の作成、請求書作成、送付等の書類作成発送を行います。管理業務の負担を減らすためには、クラウドサービス等の業務効率化ツールを導入してみるのも1つの方法です。そういったお金の管理の仕事を円滑に行うには、簿記の資格取得がおすすめです。働きながら勉強できる資格なので、経理担当としての成長を願うなら資格取得や複業で他社の業務に携わってみてはいかがでしょうか。