既にご存知だと思いますが、終身雇用と年功序列が機能していた時代であれば、サラリーマンになることは一生安泰を意味していました。しかし、大手企業に勤めるサラリーマンであっても会社の経営状態やM&Aなどによって自分がこの先どんな立場になるのかという不透明感が増しており、サラリーマンの方々であっても自分のことは自分で守る意識が求められています。昨今の新型コロナウイルスにより、複業・副業を行うことのハードルは下がってきています。サラリーマン+副業・複業という考え方が、個人的にはホットワードです。それはなぜなのか、サラリーマンに副業・複業がなぜ必要なのかについて冒頭にご紹介しておきたいと思います。そこで今回はサラリーマンの副業(複業)のよくある失敗パターンについてご紹介致します。
副業(複業)のよくある失敗パターン
なぜサラリーマンに副業・複業が必要なのか
- 年功序列制度が無くなりつつあり、給与が増える保証がない
- 高齢化社会になると税金や社会保障負担が増える
- 病気や失業のリスクに備えるため
- 定年後の人生が長くなっている
以上の理由だけではないかもしれませんが、副業・複業を行うことをおススメ致します。日本では、少子高齢化の社会が進んでおり、サラリーマンだからといってそれだけで安泰になるわけではなく、やはり自分のことは自分で守るために具体的な方法論が必要です。
では、これからよくある会社員の副業・複業での失敗事例をご紹介致します。
副業・複業の失敗パターン
この章では、複業でよくある〝失敗〟について、典型的なパターンと予防策についてお伝えしたいと思います。
パターン1:「簡単にお金稼げます詐欺」に引っかかってしまう
「副業解禁」の時流の中で、ちょっと危ない便乗商法などが増えているのも事実です。また、普段会社に守られていて危険に対しての危機察知能力が欠けている人も多々おります。そんな日本社会においては複業によって働き方や生活に無理が生じるリスクが少なからずあります。
副業・複業で後悔しないためにも、必ずチェックしてください。
ラクして稼ぎたい、という欲で騙される
「とりあえず手近な複業から始めて、ラクしてお小遣い稼ぎができたらラッキー。うーん、やりたいこともすぐに浮かばないから、ネットで『副業』と検索してみようかな……」
そんな〝ラクして稼ぎたい〟だけの動機で複業を始めるのは非常に危険。油断していると、ネットにあふれる「副業詐欺」に、引っかかってしまいます。「副業詐欺」は本当に言葉巧みに記載されているので、とても魅力的に感じます。
試しにちょっと検索してみると分かります。
「未経験でも、学生でも、月◯万円も夢じゃない!」といった美味しいキャッチに乗せられてみたものの、ふたを開けてみれば、いかにも怪しい情報商材やネズミ講まがいのネットワークビジネスだったという事例が世にあふれています。
人間誰しもできるだけラクをしたい生き物です。
「ラクして痩せたい」という人がダイエット商法に多額のお金を支払ってしまうのと同じように、「ラクして稼ぎたい」という欲求につけ込まれて損害を受ける人が後をたちません。
副業詐欺の被害に遭った若者たちの実状は、私の耳にも入ってきていますし、私自身も勧誘されたことがあります。
手法としては、「まず、『誰でもラクして稼げます! 稼げるあなたになるために、とっておきのメソッドを教えます』と言ってセミナー参加を呼びかけるんです。あるいはDVDを売りつける。いずれも高額ですが、『稼げるようになるための投資です』と言って払わせる。また、本当に稼いでいるように見せるため新宿や六本木等の好立地のタワーマンションを借りています。
高額商材の内容は大したものではないから、決して稼げるようになりません。
そこで稼げないことを相談すると
『あなたはまだ勉強が足りないようです。ならば次の教材を試してみてください』とさらに高額の商材を提示されます」
または、まだまだ量が足らないから、もっとやるようにしてください等
ここで詐欺だと気づいてやめればいいものを、そうはいかないのが人の性。
一度お金を払ってしまったモノに対してはつい「もとを取りたい」「あれだけのお金を払ったのだから、価値がないわけがない」という心理が働き、ますます財布は出血してしまうわけです。
「結果、教材代がかさんでキャッシュフローが回らなくなり、強引な取り立てとの押し引きを経て、やがて自己破産に。ラクして収入を得るどころか、破産の道へと転落してしまう悲劇は実際に起きていることを、知ってほしいですね」
副業して稼ぐするつもりが破産へ。それだけは絶対に避けなければなりません。
予防策としては
やはり「ラクして稼げるほどビジネスは甘くない」と理解することに尽きます。
「ラクして稼ごう」と思った時点で、悪意ある人たちから足元を見られてしまう。それくらいの危機感で臨みましょう。
そもそも、複業で得たいものは何なのか?
その問いを突き詰めた結果の答えがもし「お金」だったとしたら、複業という選択肢ではなく、まず本業で成果を出す方法を考え抜くほうが圧倒的に効率がいい場合もあります。また、単純にアルバイトをした方が目先のお金は稼げます。
複業に求めるべきものは、
- 本業だけでは得られない自己実現や社会に向けての価値提供
- 本業でさらなる成果を出すための学び
- 本業では得られない経験を積むため
だと私は考えております。その原点を忘れないようにしたいですね。
パターン2:「あいつは副業やってるから」と後ろ指をさされてしまう
本業でできない自己実現や学びの機会になる複業だからこそ気をつけたいのは、「没頭し過ぎて周りに迷惑をかけない」ことです。
楽しくて・成果が出なくて、没頭し過ぎて周りに迷惑をかけてしまう
本業の職場の上司や同僚に「あいつは副業始めて、戦力にならなくなった」と思わせてはダメです。モチベーションレベルが「副業>本業」な社員だと認識された途端、会社からの高い評価は期待できなくなります。するとますます本業のモチベーションが下がる下降スパイラルに陥ってしまいます。
上司も人間ですから、「こっちの仕事を優先しないということは、上司である俺(私)のことも軽くみているんだな」という発想になりがちです。
まるで〝浮気〟されたような屈辱を感じてしまうのです。また、複業を行うことで少なからず収入が増えることを意味しますので、それについて羨ましい・妬ましい気持ちを抱かせてしまいそうすると、職場の人間関係は悪化し、居心地も悪くなります。最悪、退職せざるを得ない状況にまで至ることだってあり得ます。
予防策としては
複業をするからこそ、本業のパフォーマンスが上がる。そんな上昇スパイラル効果を見せることが大事です。
そのためにできる対策としておすすめしたいアクションは、〝職場巻き込み〟です。複業を始める段階から職場の上司や同僚に「こんな活動を始めようと思います」と公言し、積極的に巻き込んでいくことが重要です。
- 複業を公言する。
- 複業の成果を報告する。
- 複業で得られた価値を本業にも還元する。
複業の〝見える化〟と〝価値還元〟を徹底して意識することで、複業は周囲からも歓迎される活動になります。
そして、ベースにあるべきは「謙虚な心」。
複業に取り組める環境を与えてもらっていることへの感謝を、会社の上司や同僚に日頃から伝えておく心がけは持ち続けていたいものです。
パターン3:「とにかく頑張る!」とオーバーワークで身体と生活が破綻してしまう
複業を始めるからといって、本業にかける時間が減るわけではありません。単純に考えれば、働く時間は〝純増〟します。
ここで重要になるのがオーバーワーク対策・自己管理の徹底です。
好きなことを始めて、本業でも成果を出そうと頑張って……、気がつくと〝一人ブラック企業〟!
かくいう私も、複業を始めた当初は自己管理の難しさを痛感した経験があります。
気がつけば、複業だけで週に40時間働いていた時期もありました。
複業始めた当初は、慣れてきた仕事をしている本業では得られない達成感や分からないことの連続でついついやり過ぎてしまいがちです。
周りを見ていても、真面目で奉仕精神が高い人ほど、本業と複業のオーバーワークループにハマってしまうようです。
予防策としては
何も意識しなければ働き過ぎになるのが、複業のリスクの一つだと心得ておきましょう。
ということで、積極的に身につけるべきが、自己管理のスキルです。
自分の中である程度のルールは作っておいた方が良いと思います。
例えば、
- いかなる場合も毎日0時までに作業を終わらせる
- 睡眠は6時間以上
- 生活に無理が生じるほどの仕事は受けない
自分なりのルールを作っておくことで無理のない生活を継続することが出来、結果として複業もうまくいくことが多いです。
また、時間に余裕を作っておくことで急に魅力的なお話を受けた時に、相談に乗りやすいです。複業を始めたことを公言していると、今までにないくらい色んなところから連絡が来たり、お客様から相談を受けたりして想定以上の仕事が発生することもあります。
そのため、多少は時間に余裕を作っておかないと重要なチャンスを逃すことにも繋がりますので、時間に余裕のある暮らしをすることは、自己管理の面でも、複業を上手く進めるためにも必要なことです。
まとめ
会社員の複業・副業は、メリットも多いですが、失敗するリスクもあります。そして、よくある失敗パターン
サラリーマンが副業をする際のメリットとデメリットをそれぞれ一覧化して説明しました。副業ブームであるからと言って、必ずしも周りの真似をして副業をする必要はありません。
今一度、『自分が本当に副業をするべきか否か』を考え、副業を始めるならばしっかりとした事前知識・準備をしておきましょう。
下記で会社員×複業についてまとめ記事を作成しておりますので、ご参考までにご一読ください。
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