ソフトウェア管理についてご紹介~残高管理~

経理や財務の部署に所属すると、様々な業務が出てきます。ソフトウェアは無形固定資産の1つです。産業の中心が製造業からITに移っていく中で、会計上の重要性も高まっています。「研究開発費等に係る会計基準」においてソフトウェアは、その制作目的に応じて、自社利用目的のソフトウェアか販売目的のソフトウェアに分類されます。今回はソフトウェア管理の残高管理についてご紹介を致します。

ソフトウェアの残高管理

ソフトウェアの残高管理を行うために、管理台帳を作成します。台帳には、番号、名称、種類、取得日、取得価額数量、償却方法、耐用年数等を登録し、ソフトウェアの新規の購入、除却または現状のへんこうなどを行った際に、常に現状の残高を把握できるようにしておくことが必要です。

バージョンアップと資本的支出

①利便性を向上させる場合

販売目的や自社利用目的で制作されたソフトウェアの価値を高めるために行われたバージョンアップ(ソフトウェアの価値を高めるための作業で、残存有効期間の増加などの効果が期待できる)で、新たに機能を追加したり、利便性を向上させるなどした場合の支出に関しては、資本的支出として資産計上され、そのバージョンアップを行ったソフトウェアの未償却残高に合算します。

②収益獲得に効果がある場合

自社利用のソフトウェアに関して、バージョンアップによって費用削減や新たな収益獲得に効果がある場合には、その自社利用目的のための支出は資本的支出として資産計上します。

ソフトウェアの除却

ソフトウェアの除却は、税務上、以下のような場合に認められます。その場合において、ソフトウェア自体は無形のものであるため、除却したことを明らかに示す証拠を保存する必要があります。

①自社利用のソフトウェア

そのソフトウェアによるデータ処理の対象となる業務が廃止され、当該ソフトウェアを利用しなくなったことが明らかな場合、またはハードウェアやオペレーティング・システムの変更等によって他のソフトウェアを利用することになり、従来のソフトウェアを利用しなくなったことが明らかな場合に認められます。

②販売目的のソフトウェア

新製品の出現、バージョンアップ等により、今後、販売を行わないことが社内稟議書や販売流通業者へお通知文書等で明らかな場合に認められます。

 

ポイント

ソフトウェア管理のポイント

  • 残高の把握
  • 取得目的による区分
  • 除却時の証拠保存

実地調査

ソフトウェアは、取得や除却などを固定資産台帳等において管理することになりますが、台帳上だけでなく、定期的に実地調査を行い、利用状況などを確認する必要があります。

 

まとめ

以上のように、ソフトウェアを外部から購入したときの取扱いは、他の固定資産と大きく変わりませんが、除却したときは、後々問題とならないように、除却時点が適正であることを示す記録を残しておくように注意しましょう。
自社でソフトウェアを開発するときは、開発費用を集計しなければならないので、事前にその準備をしておかなければなりません。労務費などが適正に集計されていなければ、後々税務調査などで問題となる可能性があります。

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