経理や財務の部署に所属すると、様々な業務が出てきます。企業がその事業活動の用に供するために1年以上の長期にわたって使用または利用する目的で保有する資産を言います。固定資産は、有形固定資産・無形固定資産に分かれ、そこからさらに減価償却資産・非減価償却資産に分けられます。今回は固定資産の移動、売却、除却についてご紹介を致します。
固定資産の移動、売却、除却
固定資産の移動
固定資産を移動する場合は、社内規定に従って承認を得た上で移動させる必要があります。異動に合わせて、固定資産台帳についても更新する必要があります。
固定資産の売却、除却
①売却や除却の実行
固定資産を売却または除却する場合には、社内規定に従って管理部署から申請し、これを承認する必要があります。売却や除却をけんとうするにあたっては、除却計画を確認したり、実行にあたっての費用を見積もる必要があります。
また、実行した場合、除却や売却の証明となる資料を、引取業者や売却先から入手する必要があります。
②更新
固定資産を売却・除却した場合には、実行した内容を管理部署から経理に報告します。報告の内容をもとに、経理では会計処理を行います。
その際、あわせて固定資産台帳を濃しんします。証憑資料として、売却や除却を証明する資料として、除却証明などの資料を添付します。
会計処理
①売却または除却による損失(損益)額の計算
固定資産を除却した場合には、除却時の帳簿価額が除却損の金額となります。売却したばあには、売却価額時の帳簿価額との差額が売却損(または売却益)の金額となります。
以下に、具体例を挙げてみます。
下記の資産を売却価額100,000円で売却した場合の仕訳例は、以下のようになります(消費税は考慮していません)。
(売却資産)
工具取得価額 1,000,000円 |
売却時減価償却累計額 800,000円 |
(仕訳例)
(借方) 現預金 100,000円 減価償却累計額 800,000円 固定資産売却損 100,000円 | (貸方) 工具 1,000,000円 |
②損益計算書への記載
固定資産を売却・除却した際の損益については、原則として特別損益に計上します。但し、金額に重要性がない場合には、営業外損益に計上することが出来ます。
ポイント
有姿除却とは
固定資産について、廃業や撤去などを行わずに、今後使用する見込みのない資産について、有姿のまま帳簿上だけで除却処理することを言います。税務上においても、一定要件を満たす場合には認められる処理となります。
まとめ
以上のように、固定資産には国や地方から多くの税金が課せられますが、経理処理は税目や支出の内容によって「固定資産の取得価額に含めなければならない資産」「資産計上と損金経理いずれも認められる資産」「損金経理する資産」とさまざまです。まずは税法上の取扱いを正しく理解した上で、会社の財務内容(赤字、黒字)に応じた経理処理を選択する必要があります。
下記で固定資産管理についてまとめ記事を作成しておりますので、ご参考までにご一読ください。
経理や財務の部署に所属すると、様々な業務が出てきます。企業がその事業活動の用に供するために1年以上の長期にわたって使用または利用する目的で保有する資産を言います。固定資産は、有形固定資産・無形固定資産に分かれ、そこからさらに減価償却資産・非[…]