経理や財務の部署に所属すると、様々な業務が出てきます。財務管理の目的は、「会社に必要な資金をどのように調達して」「その資金をどのように運用していくか」の施策を考えて、企業価値を上げるために実行していくことにあります。経理は会社内で発生した取引に関して、仕訳を通して、記録計算することが業務になるため、財務計画の立案から資金の調達と運用がメインである財務管理とは異なる業務になります。デリバティブとは金融派生商品のことであり、目的に応じて様々な金融商品により構成されます。具体的には先物取引、スワップ取引、オプション取引等が該当しますが、これらは金利や為替相場等の変動により価値が変動するという特徴があります。今回は、デリバティブ取引管理のデリバティブ取引の仕組みについてご紹介を致します。
デリバティブの定義
デリバティブとは、一般的に「金融派生商品」と呼ばれていますが、従来からある株式、債券、通貨などの資産から派生したものであるということを意味しています。
主として、将来発生する可能性のある損失リスクを回避するために利用されます。
◎原商品
・株式
・債券
・預貯金
↓
◎デリバティブ
・先物・先渡し
・オプション
・スワップ
デリバティブ取引の種類
デリバティブ取引は、大きく次の3つに分類されます。
①先物・先渡取引
将来取引する債券や株式等の取引価格を現時点で予約する取引をいいます。
②オプション取引
将来一定時点で債券や株式等を買う権利(コール・オプション)もしくは売る権利(プット・オプション)を売買する取引を言います。
権利行使が満期日の最終日しかできないタイプをヨーロビアンタイプといい、満期日までの間はいつでも権利行使ができるタイプをアメリカン・タイプといいます。
③スワップ取引
資金の支払いや受取を交換する取引を言います。固定金利と変動金利とを交換する金利スワップなどがあります。
デリバティブ取引の内容は、原商品、デリバティブの区分により以下のように分類されます。
主なデリバティブ取引の種類と分類
先物 | 先渡し | オプション | スワップ | |
---|---|---|---|---|
金利 | 金利先物 債券先物 | 金利先渡契約 | キャップ フロア カラー | 金利スワップ |
為替 | 通貨先物 | 通貨先渡契約 | 通貨 オプション | 通貨スワップ |
株式 | 株価指数先物 | 株価指数オプション |
ワンポイント
デリバティブ取引用語解説
- キャップ
金利の上限を設定する取引。ギャップの水準を超えた場合は、キャップの買手は売手から超えた分の金利を受け取ることが出来ます。 - フロア
金利の下限を設定する取引。 - カラー
金利の上限と下限を同時に設定する取引。 - 金利スワップ
固定金利と変動金利などm同一通貨で異なる金利の支払いや受取りを交換する取引。 - 通貨スワップ
円とドルなど異なる通貨の元利金の支払いや受取りを交換する取引。
まとめ
今回は、デリバティブ取引についてご紹介を致しました。なかなか馴染みの無い方も多いかもしれません。デリバティブ取引は、主に、ヘッジ目的、投機目的、裁定目的で利用をされます。何のために利用されるのかなどをしっかりと理解しておくことで会社の財務管理業務を行っていくことでプラスになることがあります。