経理や財務の部署に所属すると、様々な業務が出てきます。税務申告は企業が果たすべき責務であり、正しく行うことで社会的信頼を得ることができます。しかし税務申告が重要である理由の最大のものは“税務調査を避けるため”でしょう。申告した税金額に問題点が発見されると、税務署から強制調査や任意調査を受けることがあります。調査が入ると提出された情報に誤りや不正が無いかを徹底的に調査されます。そこで法人税申告業務の連結納税申告・納付についてご紹介を致します。
概要
申告と納付については、rね結親法人が主体となって行いますが、連結子法人についても所定の手続きや納税義務が規定されています。
確定申告・納付
①申告
連結親法人は、連結事業年度終了の日の翌日から2カ月以内に、連結親法人の所轄税務署長に対して連結確定申告書を提出しなければなりません。
- 申告期限の延長
連結親法人が会計監査人の監査を受けなければならない等の理由により、提出期限までに提出することが出来ない場合には、申告期限を2カ月延長することが出来ます。この場合、連結事業年度終了の日の翌日から45日以内に、連結親法人の所轄税務署長に申請書を提出する必要があります。
なお、会計監査人を設置している場合で、かつ定款の定めがある一定の会社は、さらに申告期限を4カ月延長することが出来ます。
- 連結子法人の提出書類
連結子法人は、各連結事業年度の連結確定申告その提出期限までに、連結所得金額及び連結法人税額の個別帰属類等を記載した書類や決算書その他を、各連結子法人所轄税務署長に提出する必要があります。
②納付
連結親法人は、連結確定申告書の提出期限(連結事業年度終了の日翌日から2カ月以内)までに、連結法人税額を納付しなければなりません。
- 利子税
申告書の提出期限の延長が認められている場合には、納付期限も申告期限と同様、2カ月延長されます。但し、単体の税務申告と同様、延長された期間に関しては利子税が課されます。
- 清算
連結法人税額の納税義務は連結親法人にありますが、連結子法人についても個別帰属額について連結親法人と清算する必要が生じます。すなわち、個別帰属額がプラスの場合には連結親法人に支払い、マイナスの場合には連結親法人から還付を受けることになります。
- 連帯納付義務
連結子法人には連帯納付義務があるので、連結親法人が連結親法人税額を納付できない場合には、連結子法人に対して納付が要求されます。
中間申告・納付
連結親法人は、その連結事業年度が6か月を超える場合には、その連結事業年度開始の日以後6か月を経過した日から2カ月以内に連結中間申告書を提出しなければなりません。
中間申告は、原則として前期実績に基づきますが(予定申告)、仮決算を行い、当期実績に基づくことも認められます。ただし、中間申告では還付はありません。
まとめ
税務申告とは企業が法人格として行うべき税金の申告業務です。“法人格が行う確定申告”と言うと、少しわかりやすいかもしれません。個人事業主の場合、確定申告では個人事業主税や住民税、消費税など複数の税金申告をします。
法人税は、法人の所得(利益・損失)に対して課せられる税金です。各事業年度の収益から、損失や費用を控除して算出される企業会計上の利益に、法人税の調整を加えて所得を算出します。算出した所得に税率をかけた金額が税金額として確定します。