連結決算業務についてご紹介~データ情報収集~

経理や財務の部署に所属すると、様々な業務が出てきます。決算を取りまとめ、財務諸表を作り、分析することで次の会社のアクションに繋げるということは、まさに経営スタッフそのものの仕事です。スケジュールを守るためには、誰とどのような段取りをしておけばいいのかを考えます。 経理の社員は、企業にとって価値を提供することができます。そこで今回は連結決算業務のデータ情報収集についてご紹介を致します。

データ情報収集

連結パッケージおよび作成マニュアルの準備

①連結パッケージの準備

 上場会社等、連結財務諸表を作成する必要がある会社は、連結決算用のデータを収集するためのソフト(連結パッケージ)を導入しています。子会社はこのパッケージに入力したファイルを親会社へ送信し、親会社では受信後に子会社のデータを受け入れることにより、連結決算の手続きを迅速に進めることが出来ます。

②作成マニュアルの準備

パッケージの準備が出来たら、各社がパッケージを入力する際の基準や注意点等を周知させるためのマニュアルを作成します。
内容としては、各シートの付帯的な入力の仕方や入力したの仕方や、入力したシート間での整合性が取れていない場合の対処の仕方などを記載致します。

パッケージ配信

 パッケージの準備が出来たら、各社へマニュアルを送信し、必要に応じて説明会を開催します。
 一般的に、上場会社等では、決算月の1か月から2カ月前にパッケージの配信をしているようです。

データ組替えおよび各社のデータ検証

①異業種データ組替え

 データの回収が終了したら、連結会社の中で、親会社と業種の異なる会社の個別財務データの組替えを行います。

 パッケージによっては、各社のデータ入力時に組替作業(連結用の科目へ表示を変更する作業)を同時に行うものもあります。

②各社のデータ検証

 各社のデータを受け入れると、各データ間の不一致が生じるので、データ間の整合性を検証し、不一致の原因を確認します。

 例えば、親会社のA子会社への売上高とA子会社の親会社からの仕入高に不一致が出ているような場合に、データの集計にミスがあるのか、売上計上と仕入計上のタイミングの違いによるものか、請求書等が未着のために認識が遅れたのかなどの原因を分析します。

連結決算業務のデータ収集業務フロー

連結決算業務のデータ収集業務フロー

 

ワンポイント

関係会社サポート

 連結決算の手続きを滞りなく進めるために、グループ会社からのデータ収集は非常に重要な作業です。

特に、連結パッケージの作成に時間のかかる会社や、内部取引のデータ収集をしやすくすることが重要です。

 

まとめ

以上のように、連結決算は、複数ある子会社や関連会社の決算をもとにして行います。通常、連結決算を公表する期限があるため、各子会社や関連会社において、余裕を持ったスケジュールを組んでおきましょう。
また、親子間の取引や子会社間の取引など、連結特有の調整を行うために必要な情報を効率的に入手することができるように事前にパッケージを作っておくなど、準備をしておく必要があるでしょう。子会社の経理担当などに不慣れな者がいれば事前にレクチャーしておくことも連結決算をスムーズに進める上では大切です。

 

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