連結決算業務についてご紹介~決算の手続き~

経理や財務の部署に所属すると、様々な業務が出てきます。決算を取りまとめ、財務諸表を作り、分析することで次の会社のアクションに繋げるということは、まさに経営スタッフそのものの仕事です。スケジュールを守るためには、誰とどのような段取りをしておけばいいのかを考えます。 経理の社員は、企業にとって価値を提供することができます。そこで今回は連結決算業務の決算の手続きについてご紹介を致します。

決算の手続き

連結決算の流れ

 連結決算の決算手続きの順序は特に決められているわけではありませんが、実務上、作成の手順はおおむね次のようになっています。

連結決算の流れ

連結決算における調整項目の具体例

①資本連結

資本締結とは、親会社の投資勘定と子会社の資本を相殺する手続きをいいます。

親会社BS
子会社株式 100
子会社BS
資本金 100
相殺仕訳
(借方) 資本金 100(貸方) 会社株式 100

 

なお、投資と資本に差額がある場合に連結調整勘定が発生したり、親会社の子会社に対する資本持ち分が変動した場合の扱い等、資本連結の手続きには複雑なものがあります。

②内部取引の消去

 連結財務諸表は、連結会社を1つのものとして表現するため、連結会社間における債権と債務、売上と仕入などを相殺、消去します。
 
 データ集計が終了すれば、相殺するだけなので、比較的簡単な手続きですが、実務上は会社間双方のデータが同じ金額になるまでは相当な時間がかかるため、連結決算手続きの中では時間のかかる項目となっています。

親会社BS
貸付金 100
子会社BS
借入金 100
相殺仕訳
(借方) 借入金 100(貸方) 貸付金 100

③実現損益の消去

 連結会社相互間で取引をしたものが資産家場などに含まれている場合には、その部分に係る損益が実現していないものとして、未実現となっている損益を調整します。

対象となる資産は、棚卸資産、固定資産、有価証券等があります。
なお、親会社から子会社に売却する取引をダウンストリーム、子会社から親会社へ売却する取引をアップストリームと呼びます。

(例)親会社から子会社へ建物を売却し、親会社では100円の利益が生じている。
→この場合、親会社の売却益は連結グループ外に対して実現した利益ではないため、連結財務諸表上では調整することになります。

相殺仕訳
親会社
(借方) 建物売却益 100
子会社
(貸方) 建物 100

 

 

連結キャッシュフロー計算書

 連結キャッシュフロー計算書は、連結貸借対照表および連結損益計算書と並んで基本財務諸表の一つとなっています。

 作成方法には、大きく分けて2通りの方法があります。

  1. 原則法
    各社の個別キャッシュフロー計算書を合算し、連結会社間の現金取引などを調整して作成する方法
  2. 簡便法
    連結貸借対照表および連結損益計算書から間接的に作成する方法

 

セグメント資料の作成

 セグメント情報に記載される事項は、マネジメントアプローチに基づく報告セグメントの概要、売上高や営業利益等になります。真似締めのアプローチとは、経営者の意思決定や業績評価において使用されている事業単位で開示する考え方です。

 また、報告セグメントに関連する情報として、製品およびサービスごとの情報や地域ごとの情報なども注記することとなっています。

 

まとめ

以上のように、連結決算は、複数ある子会社や関連会社の決算をもとにして行います。通常、連結決算を公表する期限があるため、各子会社や関連会社において、余裕を持ったスケジュールを組んでおきましょう。
また、親子間の取引や子会社間の取引など、連結特有の調整を行うために必要な情報を効率的に入手することができるように事前にパッケージを作っておくなど、準備をしておく必要があるでしょう。子会社の経理担当などに不慣れな者がいれば事前にレクチャーしておくことも連結決算をスムーズに進める上では大切です。

 

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