経理や財務の部署に所属すると、様々な業務が出てきます。財務管理の目的は、「会社に必要な資金をどのように調達して」「その資金をどのように運用していくか」の施策を考えて、企業価値を上げるために実行していくことにあります。経理は会社内で発生した取引に関して、仕訳を通して、記録計算することが業務になるため、財務計画の立案から資金の調達と運用がメインである財務管理とは異なる業務になります。ただし、財務管理と経理の業務は密接に関連しています。資金の収支は経理業務による記録から確認することになります。つまり、資金の収入のタイミングと支出のタイミングを掴むことができなければ、いつ、どのくらいの資金を調達すべきであるかということが判別できません。よって、経理の業務をきちんと行うことで財務管理の業務も成り立つといえます。実際、財務の仕事を経理部が担当している会社も数多く存在します。そこで銀行振込出納管理の現金預金管理についてご紹介を致します。
小口現金の管理方法
小口現金の管理方法には、主に次の2つの方法があります。
①インプレストシステム(定額資金前渡性)
事前に小口現金の器楽を決めておき、使用した金額を担当者から定期的に報告してもらい、使用した金額を補充します。
②随時補充法
とくに補充時期や金額を定めず、必要に応じて現金を補充します。
小口現金の取り扱いのポイント
小口現金の残高を合わせることは、会社の財産管理の基本となります。小口現金の支払担当者が行わなければならない重要なポイントは次の点になります。
- 支払時には、必ず領収書などと引き換えに支払う。
- 渡す金額があっているかを確認し、その都度小口現金出納帳に取引を記入する。
- 一日の業務の終わりには、手元現金残高と小口現金出納帳残高の一致を確認し、上長に報告する。
現金は紛失や間違いが起きたとしても履歴が残りづらいという特徴があるので、その場で気づかないと原因の究明は非常に困難になります。その都度、確実に処理することが重要です。
内部牽制を行う仕組み
現金を手元に置いておくことは盗難や紛失が起こる可能性があり、また、不正の対象となりやすいため、取扱いには注意する必要があります。
また、牽制を図る手段として、決済基準やルールの整備は不可欠です。経費支払や仮払いについて事前申請手続きを設け、小口現金支払担当者の支払い可能金額、支払い可能な内容などをあらかじめ決めておきます。例えば、仮払いについては、事前に申請手続きを必要とする一定金額以上については、上司の承認を必要とするなどの取り決めが必要となるでしょう。
その他、小口現金に関する内部牽制の方法として、次の点があります。
- 現金は常に金庫に入れて保管する
- 現金出納担当者と記帳担当者を別の担当者に分ける
- 定期的に第三者によるチェックを行う。
小口現金残高管理業務フロー
まとめ
資金の仕事をご紹介が、財務部門が必要とするスキルは、調達の有無と手段を決定する判断力(返済の見積もり計画、会社の財務状況の分析、調達する資金の用途別内訳、そもそも実現可能なのかなど)と金融機関に対する折衝力になります。
企業のキャッシュの現状を把握するためには、経理部門との連携は必須ですが、資金調達の手段にはさまざまな方法があり、どの方法が最適であるかはその企業の状態によっても変わってきます。
そもそも調達する必要があるのか、あるのであればどのような手段でするかを検討する判断力が求められ、そのためには新規事業の利益計画や他部署の財務状況を熟知していなければいけません。
また、金融機関から融資を受ける場合は金利や担保、補助金の場合は申込書・申請書の提出といった問題が出てきますが、できるだけ有利な条件で融資・出資を受けるには論理性、説得力、コミュニケーション能力などの折衝が求められます。
株式の発行やベンチャーキャピタルからの出資といった大規模な資金調達と比べれば、中小企業の資金調達は地味な仕事かもしれませんが、中小だからこそ細かい調整が必要で、むしろ重要度は高いといえます。