経理の基本~現預金の管理~

 今回はバックオフィス業務である経理のお金の管理、現預金の管理についてご紹介致します。現預金の管理は、経理が担当する業務の中でも非常に重要な業務の一つです。経理が知っておくべき現預金の管理業務のポイントについて、具体的な事例をあげながら解説していきます。これから経理担当者として働きたいと思っている方はぜひ参考にしてみてください。今回はそんな現預金の管理についてご紹介致します。

 

現預金の管理

現金の管理は、経理の基本中の基本です。

  • 作成する書類
    ・現金出納帳
    ・現金残高管理表
    ・預金出納帳
  • 管理するもの
    ・金庫
    ・預金通帳(当座照合表)
    ・銀行印
    ・キャッシュカード
  • 保管場所
    ・金庫

現金の残高を数える

  • 実際の現金残高と現金出納帳の残高が合わない場合
    その原因を調べなければなりません。現金残高が合わない原因としては、下表のようなことが考えられます。どうしても原因が分からなくて差額が少額であれば、「現金過不足」勘定を使って、出納帳の残高と実際の現金残高を合わせます。

    1. 現金出納帳に転記した金額が間違っている
    2. 現金出納帳の残高の計算が違っている
    3. 領収書を紛失した
    4. 領収書をもらえない経費の支払があった(自動販売機など)
    5. 役員などの私的な支払いにあてた

手元現金の残高が出納帳より多かった時の仕訳例

借方貸方
現金  1,000現金過不足  1,000

手元現金の残高が出納帳よ少なかった時の仕訳例

借方貸方
現金過不足  1,000現金  1,000

出納帳を作成する

  1. 会社のメイン口座の通帳は、定期的に記帳
    予定通りに入金があったか、現在んお残高で今後の支払が出来るのか、チェックします。また借入金の返済やリース料等が自動的に引き落とされる口座は、残高不足にならないよう、常に気を付けておかなければなりません。
  2. 預金出納帳の作成
    預金出納帳は、銀行口座ごとに作成します。通帳の入金と出勤と出納長は左右が逆なので、会計ソフトへの入力時には注意してください。

預金出納帳の例

日付摘要入金出金残高
前月繰越56,211
1日接待●×すし店(代表)25,92030,291
6日切手購入41629,875
10日税務署へ源泉所得税の支払20,0009,875
15日●×商事から入金50,00059,875
31日59,875
翌月繰越59,875

※翌月繰越残高が手元の実際の金額と会っているかを確認する

 

まとめ

 今回はバックオフィスである経理業務の現預金の管理について説明をしましたがいかがでしたか。現金出納帳という言葉は、経理の仕事を知らない人にも耳馴染みがあるかもしれません。現金出納業務とは「現金の出し入れを毎日記録して現金出納帳を作成し、帳簿上の残高と実際の現金残高が一致していることを確認する」業務です。現金管理には「伝票や精算書または領収書と引き換えに現金を出金する。」という重要なルールがあります。このルールを徹底しないと、現金出納帳と現金残高の不一致が、かなりの確率で発生します。担当者は、伝票や領収書に書かれている内容と金額を確認して現金を出金してその内容を現金出納帳に記録していきます。現金出納業務でわりと多いのは、社員等の経費精算業務だと思います。現金と経費精算書を交換して、その内容を「これは会議費、これは接待交際費」などと記録していくことになります。(最近は預金口座への振込も増えています。)管理業務の負担を減らすためには、クラウドサービス等の業務効率化ツールを導入してみるのも1つの方法です。そういったお金の管理の仕事を円滑に行うには、簿記の資格取得がおすすめです。働きながら勉強できる資格なので、給与経理担当としての成長を願うなら資格取得や複業で他社の業務に携わってみてはいかがでしょうか。

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