組織・人材・人材マネジメントポリシーは何のためにあるのか

 マネジメントとは、人材の管理全般に関わるマネジメントを指します。そのため、どのような人材をどういう方法でどの程度調達するのか、入社後にはどのように育成して戦力化し、定着させていくのかなど、幅広いアプローチが求められます。その企業活動の最も根幹にある者が「企業理念」であり、その「企業理念」のもとに人材マネジメントの仕組みの設計・運用・管理の方針として定められたものが「人材マネジメントポリシー」です。今回は、企業理念実現のために何が必要なのかをご紹介致します。

 

企業理念とは

 創業時から大切にしていること、目指している将来像、会社が社会でどのような役割を果たしていくのか、会社の存在意義などを記したものと言って良いものです。「なぜその企業が存在するのか」「何のために経営をするのか」という根本の考え方のことで、方針や方向性はもちろんのこと、社員の行動規範や社風の良質化を図るための文言が含まれていることが多く、外に対してはブランドイメージをつけるため、内に対しては意識を統一するために作成されています。

  • その企業が何のために存在しているのか。
  • どこに向かって企業活動をしているのか。
  • その企業の強みはなんなのか?
  • 日々どういったことを心がけているのか。

上記のような、その企業のあり方がまとまっているのが企業理念となります。

そして、企業理念をもとに経営陣の考える会社のかじ取りに対するスタンスや考え方、方針を定めたものが経営理念です。

 

組織・人事戦略について

 会社の戦略が「企業理念」や「経営理念」に沿って定まり、「企業戦略」「事業戦略」として策定され、さらに各事業を実際に動かしていくための「機能別戦略」が定まります。このように企業戦略からブレイクダウンし、事業戦略、機能別戦略を定め、それらの戦略を具体化し、施策を立案し、施策の実現を支えるのが、「組織・人事戦略」「財務戦略」「IT戦略」等のその他戦略です。経営資源の配分なども含む領域です。

 このように「組織・人事戦略」は事業戦略、機能別戦略と密接に関係しております。

組織・人事戦略は人的資源の戦略であり、上位の事業上の戦略や方針が変われば、当然変化していくべきものとなります。その意味でも、事業を下支えする戦略の一つです。

①組織の確立

 組織・人事戦略においてまず取り組むのが、事業を成長させる、あるいは継続的に運営していくための組織の確立です。次にその組織に求められるあるべき人材像の明確化です。

②人材マネジメントポリシーを確立

 人材マネジメントに関する仕組みの方針です。

 

基幹人事制度の仕組み構築

 上記までの、あるべき人材像の明確化および人材マネジメントポリシーの確立をもとに、基幹人事制度を作り上げていきます。

 

たとえば、どの会社にとっても、ビジネスの環境変化に対応しながら、既存事業をいかに継続させていくかは、大きな課題です。

  • 現在のままの形で続けていくのか
  • 海外展開などにより、新しい市場を開拓するのか
  • 創造性を加味して、より付加価値の高い製品やサービスへと変容させていくのか
  • 全く違う新しい事業を立ち上げ、成長させていくのか

 など、道は無数に分かれ、選ぶ道によって、採るべき「企業戦略」「事業戦略」「機能別戦略」は全く異なるものとなります。

そして、それに呼応して「組織・人事戦略」も全く異なります。

さらに、「あるべき人材像」「人材マネジメントポリシー」「基幹人事制度」「採用戦略」「人事・労務管理プロセス」「育成施策」も、戦略によって違うものとなります。

 

戦略を実現する組織を作る

この「企業理念」などの上位概念や戦略が曖昧なままでは、「組織・人事戦略」、また「あるべき人材像」や「人材マネジメントポリシー」を定めることはできません。

逆に考えれば、各戦略が明確であればあるほど、「組織・人事戦略」、また「あるべき人材像」や「人材マネジメントポリシー」などを明確にすることが可能となります。

 

 会社がどういう方針で事業を行っているのか、「企業理念」や「経営理念」はもちろん、そこから導かれる中長期の未来計画、さらに単年度の計画や各戦略をしっかり頭に入れることが重要です。しかもそれらがどう変化しているのか追いかけながら、最適な「組織・人事戦略」を描き、具体的な「人事制度」に落とし込み、運用していくかが重要です。

 

まとめ

 上記までにご紹介致しました通り、企業活動の最も根幹にある者が、企業理念となり、その企業理念をもとに、人材マネジメントの仕組みの設計・運用・管理の方針として人材マネジメントポリシーなどを定めます。こういった人事部門の仕事はとても重要な仕事なります。より戦略的でクリエイティブな役割を担う存在として、これからの会社の成長を支え、けん引していけるようにしていきたいですね。

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